急に漢字が好きになったS君
小学生の男の子を教えています。
彼は漢字が嫌いで、漢字を覚えるどころか、書くことすら苦痛でした。
漢字ドリルの一文を書いただけですっかり疲れてしまい、
『疲れた…ちょっと休ませて。』が口癖。
(『だめ。せめて五文書いてからね。』と私。)
本当に漢字が嫌いなものだから、丁寧に書くなんて至難の業!
でもチャラ書き(丁寧ではない、乱暴な書き方)だと、有無を言わせず私が消して『書き直して。』と言うんです。
そのたび『ひどい!』『鬼や!』とよく言われました。笑
一文字一文字、ため息をつきながら書いていたような状態でした。
ただ、最近は少しずつ丁寧に書くようになっていたんです。
もともと平仮名はすごく綺麗にかける子で、綺麗な字を書くたびに私は褒めていました。
本当に、綺麗な字ですから!
それが少しずつ漢字にも及んで、綺麗にかける字、彼ならではの得意な字がちらほら出てきました。そのたび私は褒めます。
“褒める”と言うより自然な感激です。
美味しい時に、ついつい“美味しい!!”と言ってしまうように^^
『すごい!!綺麗!!!!!私より上手や。笑』
回を重ねるごとに、集中力がどんどん上がり、最近では2時間机に向かい続けることも出来るようになりました。
それでも漢字に関しては集中力にムラがあって、宿題をしたがらなかったり、漢字を覚えていなかったり…どうしたものか…と思っていました。
でも悲観することはありませんでした。
だって、彼には素晴らしい才能がたくさんありますから!!
算数が得意、なんなら計算は私より早い!笑
中学の勉強にも興味をもっています。(近々『正負の数』にチャレンジしてもらいます!)
また、海外にも興味があって、私が旅先で撮った写真を喜んで見てくれます。
こんなに熱心に話を聞いてくれるなんて、私も嬉しくて『また話聞いてね!』というと満面の笑顔で『うん!』と言ってくれます。なんて可愛いんだ!笑
漢字は大事。最低限、宿題はしなきゃならない。
でも、それ以外では良いところを存分に伸ばしてあげよう!そう思っていた矢先!
彼が、いきなり進化したんです!!!
私が部屋に入ると、すでに机の上に今日の宿題を広げて、すぐにでも取り掛かれる状態にしてありました。(私が言ったわけではなく自主的にそうなったんです。毎回その姿に感激します^^)
宿題は彼の天敵、漢字ドリルでした。
私は『漢字、がんばろうね!』と言っただけ。
綺麗な字で、丁寧に進めていきます。
ここまでは最近すっかり出来るようになっていました。
それにしても安定感があります。
そして姿勢が良い!!
さらにある事に気づきました。
『あれ???』
何か違うと思ったら、読みだけ見て漢字を書けているではありませんか!!!
『え?S君、分かるん???』
(失礼な質問ですよね!苦笑)
『うん!自分で書くし答え言わんといてや』
あんなに覚えられなかった漢字を、すらすら書いているんです!!
しかも正解!!
結局、分からなかったのは20問中2問程度。
分からなかった箇所もすぐに覚えてしまいました。
私はびっくりです。
『S君、かなり勉強したやろ??』
『なんで急に得意になったん??』
『どうやって克服したん??』
と何度も聞きました。(本当に失礼な質問ですよね!笑)
彼の答えは、
『分からん。漢字、好きになってん。』でした。
その秘訣を知りたかった~!!!!!!!!!笑
面白いことってあるものですね^^
子供は放っておいても、自然と良い方に向かっていくんですね。
もし私が彼の漢字能力に焦って、漢字ばかり押し付けていたら…、
勉強後の遊ぶ時間をつぶして漢字をさせていたら…
それこそ彼は本当に漢字が嫌いになっていたかも。
大人は悲観せず、押し付けず、その子の良い部分をしっかり見つけて、その子との貴重な時間を楽しむことが大事なんだと実感しました。
それはコントロールが目的なのではなく、その子を真に尊重し、その子との時間をありがたく過ごすという意味です。
褒めるにしても、遊ぶにしても、私はそれをコントロールのツールに絶対したくない。
だから常に自問自答しています。
本当にその子が好きだから一緒にいる。
本当に凄いって思うから、その思いを伝える。
彼にとっても貴重な1時間。
温かい人生を送って欲しいですもん。
S君、いつもありがとうね!!!!!!!
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